ブログ開設記念日

 このブログも本日から2年目に入ります。今日はこの1年を振り返って個人的に印象的だったブログ記事を3つピックアップしてみたいと思います。それぞれリンクも貼っておきますので興味をもっていただけれた場合はぜひ御覧ください。

 まず、はじめに良寛さんの辞世における不可解な点を考察してみた「良寛さんの辞世を公案的に読む」https://www.angodo.com/2020/09/blog-post_10.htmlです。良寛さんの苦悩の人生とその辞世は、ビハーラ的な医療を考える上でも意義深いかと思います。その考察が甘く恥ずかしいところですが、「形見とて何残すらむ春は花、夏ほととぎす、秋はもみぢ葉」は仏教詩の定形から考えるとやはり破格だと思われます。小生はこの歌を、今生で仏道を成就し得ずに死ぬけれどその先の救いへの想いを詠んだ歌とみました。小生が調べ得た範囲では同様の考察は無かったので、この説に対して先達のご意見を聞きたいと思っています。どなたか心当たりがいらっしゃったらご指摘いただけると幸いです。良寛さんの歌についてはブログトップページの上の検索バーから「良寛さんの歌」と入れるとシリーズ1〜6が出てきます(上記リンクはタイトルが違いますがその2として数えています。)。良寛さんの歌に興味を持たれた方はあわせて御覧ください。

 2つ目は「不思議の国のアリス症候群」https://www.angodo.com/2020/08/blog-post_7.htmlです。主に偏頭痛に伴って生じることがある、自分の体やその他の物が著しく大きく感じたり小さく感じたりするなどの異常な感覚を起こす症候群です。他人には訊きにくい奇妙な症状に関しては本人はその不安感を一人で抱えている場合もあり、また医者でも知らない人の方が多いかと思うので周知する意味で書いてみました。これとは別に盲となっている視野などに持続的な幻覚を生じるシャルル・ボネ症候群というものもありますが、これも患者側から申告されることは稀で大体はこちらから聞かないと答えてくれません。

 3つ目は「ユマニチュード」https://www.angodo.com/2020/02/blog-post_28.htmlです。リンク先が冗長な文章になってしまっているのが残念ですが要点をまとめると、ユマニチュードとは認知症患者に対するケアの技術の一つで、患者様の目を見ながら優しく語りかけてやさしく触れて安心させ、なるべく立ち上がることを促すというものです。認知機能が低下していると本人も不安なものです。例えば自宅や家族の事も分からなくなった人が徘徊して外に出ようとしていたとしましょう。それをみてあわてた家族が後ろから怒鳴って注意しても患者は自分に言われていると理解出来ない事が多いのです。これ以上は危険だからと家族が駆け寄り後ろから腕をつかむと激しく抵抗されることでしょう。患者からみると、見知らぬ家でどこから怒鳴り声が聞こえてきて不安になっているところで、知らない人から突然腕をつかまれ拘束されることとなり、状況が理解出来ない分ますます不安や恐怖がつのります。このような対応と落ち着いて正面から目を見て優しく話すのとではかなり違いがあります。もちろん、認知症にも色々種類や程度がありますので全てにおいてうまくいくとは限りませんが、介護者のストレス軽減の為にも試してみて良いかと思います。ユマニチュードは技術ですが、心が伴っていれば仏道にも沿うものだと思います。
 
 2年目もよろしくお願いいたします。

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