賢者アルヒドル

 クルアーンには賢者アルヒドルがムーサー(モーゼ)をやり込める話があります。

 アルヒドルは船底に穴をあけたり、少年を殺したり、不義理な民の住む街の壁を修繕したりと、ムーサには意味不明の行動をとりますが、実はそれぞれに理由があったというものです。

 アルヒドルの行動の理由というのは現代のリベラル的価値観では理由になって無いものばかりですが、これは神が正しいとするものであり、イスラム的には正しいのです。(アルヒドルの行いの理由は以下の通りです。船は貧者の物だったが王が強奪しようと狙っていたので沈めた。少年を殺したのは彼が不信心で親に反抗的だったから殺してより良い子が生まれるようにした。壁の修繕はその街にいる孤児が受け継ぐべき遺産で、孤児が成人した時に掘り出すように神が望んだから。)

 現代の突飛な事をする人間にも、何かしら言い分はあるもので、よく話を聞く必要があります。理由を聞いても分かり合えるとは限りませんが、それで争いを回避出来る可能性があるなら必要なプロセスです。

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