SDGs ゴール17 パートナーシップで目標を達成しよう(中編)

前編からの続き。

 ターゲット17.6は「科学技術イノベーション(STI)及びこれらへのアクセスに関する南北協力、南南協力及び地域的・国際的な三角協力を向上させる。また、国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整改善や、全世界的な技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件において知識共有を進める」だ。 新型コロナウイルス感染症は、科学の力で制圧されつつある。だが、一方で荒唐無稽なデマが科学技術を用いた道具により広がりもした。技術のみではなく正しい知識の世界的共有が必要だ。

ターゲット17.7は「開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及及び拡散を促進する」だ。開発途上国への技術移転が損であるかのように言われることもあるが、商売にもなる。搾取は論外だがお互いに良い条件での持続可能な開発が求められる。

ターゲット17.8は「後発開発途上国のための技術バンク及び科学技術イノベーション能力構築メカニズムを完全運用させ、情報通信技術(ICT)をはじめとする実現技術の利用を強化する」だ。後開発途上国の底上げは大切だが、何も分かっていない人達に詐欺師たちが襲いかからないように保護する必要もある。

ターゲット17.9は「全ての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援するべく、南北協力、南南協力及び三角協力などを通じて、開発途上国における効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する」だ。圧倒的な能力の格差の元では不公平が生じやすい。

ターゲット17.10は「ドーハ・ラウンド(DDA)交渉の結果を含めたWTOの下での普遍的でルールに基づいた、差別的でない、公平な多角的貿易体制を促進する」だ。 保護貿易を排し自由貿易を推進するのは、保護貿易化が第二次世界大戦の原因の一つとなったのを反省してのことでもある。しかし、結局戦争は起きた。侵略国家に対する経済制裁に関してはまだまだ考慮の余地ありそうだ。ただ、少なくとも搾取的な貿易は廃されるべきだろう。

ターゲット17.11は「開発途上国による輸出を大幅に増加させ、特に2020年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍増させる」だ。現在の46の後開発途上国に2015年以降に後開発途上国を卒業した赤道ギニアとバヌアツを足して、その世界の輸出に占めるシェアを比較すると2015年時点で1.0%、2020年で1.1%でこのターゲットは達成できなかった。

ターゲット17.12は「後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が透明で簡略的かつ市場アクセスの円滑化に寄与するものとなるようにすることを含む世界貿易機関(WTO)の決定に矛盾しない形で、全ての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスを適時実施する」だ。こうした努力の甲斐もあって後開発途上国を卒業する国は少しずつは存在する。

(続く)

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