オミクロンに関する一部の世論

 新型コロナウイルスの新たなに見つかった変異がオミクロンという呼称になった。この事についてまたも憶測であれこれ言う人がいる。

 発見から日が浅く詳しい情報がまとめられるのはこれからなのに、ただの風邪だ的な事を断言する人が多いのには日本の教育レベルの低さに暗澹たる気持ちになる。

 競馬の結果予想くらいにいい加減な事を断言する彼らの度胸だけは褒めてあげていいが、控え目に言ってアホだ。確固たるエビデンスに基づかない単なる願望は、予言として当たっても科学的な価値は無い。そんな無根拠な予測で、多数の命に関わる政策をどうこうしろなどと自信たっぷりにありがたい御提言をなさる元政府関係者様などは迷惑なだけでなく、陰謀論的な世論を育てる危険分子と言っても過言では無い。

 もっとも彼らが言うには世界中にこれだけの被害をもたらしたコロナ自体がただの風邪なのだから、オミクロンの脅威の程度が本当はどうであっても仲間内ではただの風邪という認識になろう。結果、自分たちの妄想が正しいとさらに確信するに至ると思われる。

 こういうリテラシーの低い人達が「医療関係者はただの風邪であるオミクロンを危険だと煽ってキャッキャと喜んでいる」などという意味不明の誹謗をしているが、こちとら胃を痛めながら警戒中だ。そしてこんな馬鹿な事を考え、発言し、公衆衛生に有害な行動を取る一部の国民も我々医療者が守るべき対象だ。

 反ワクチン活動家もまだぼちぼちいる。ワクチンに関する正しいリスク・ベネフィットを理解しても感情的にワクチンを忌避するならまだ理解可能だが、無茶苦茶な陰謀論を根拠に公衆衛生を脅かす言動を取る彼らも、医療者は守らねばならない。

 この2年近くで日頃の自衛官の苦労が少し分かった。彼らは過激派やそのシンパから罵詈雑言を浴び危険な嫌がらせを受けつつも、そんな国民も守るべき対象だとジッと堪えている。その強い忍辱の心は敬意に値する。

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