SDGs ゴール7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
SDGsは持続可能な開発目標だ。そのためには、電力などのエネルギーが安価で継続的に全人類に供給されるのは必要がある。同時に環境に悪影響を与えにくいソースでエネルギーを作り出す必要がある。ゴール7は「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」だ。環境テロリストらがSDGsを盾に環境のためなら停電に耐えるべきだなどと言うがコレは反SDGs的だ。
ところでSDGsが掲げるみんなに届けるべきエネルギーは電気以外に液化天然ガスなども含まれている。一見すると脱炭素の流れに反するようにも見えるが、液化天然ガスは石炭や石油に比べ発熱量当たりの二酸化炭素の排出が少ない。また、不純物が少ない液化天然ガスはNOxやSOxなどの汚染物質も少ない。世界では未だに木炭や薪や糞便などのススが多くエネルギー効率が悪い燃料が使われていることを考えると比較的クリーンなエネルギーソースだと言える。
一方で、発電の際にも二酸化炭素は発生するので電気=クリーンという訳でもない。直接的には二酸化炭素の排出がない原子力発電はある意味クリーンではあるが、大事故が起これば広範囲に汚染が広がりうるので、確率的には許容範囲内でも政治的には難しい立場にある。そこで再生可能エネルギーが注目される訳だが、これも森林を破壊して太陽光パネルを敷き詰めるなど本末転倒な事をする業者も多い。また技術的にもまだまだ改良が必要だが、それは推進しつつ改良を図るしかない。ともあれ当面は原子力発電の割合を増やしつつ、他のクリーンな発電方法を改良・開発するのが現実的だろう。
さて、ゴール7のターゲットは7.1〜7.3、7.a、7.bの5つから成り立つ。
ターゲット7.1は「エネルギーアクセスへの普遍的なアクセスを確保する」だ。電力供給が不安定でしばしば停電になるようでは、経済の安定と持続可能な開発は不可能だ。また、安定的な電力供給も安価で無ければ、普遍的とはいえない。日常生活レベルに至るまでの節電を訴える時点でエネルギー行政は失敗している。
ターゲット7.2は「再生可能エネルギーの割合を増やす」だ。このターゲットは大切だが、森林を切り開き太陽光パネルを敷き詰めるなど愚の骨頂だ。それによる二酸化炭素の増加の方が問題だと言えよう。太陽光パネルは、ビルの屋上や荒野などの使われていない場所でこそ真価を発揮するものだ。
ターゲット7.3は「エネルギー効率の改善率を増やす」だ。何かと槍玉に挙げられるエンジンやガスタービン類だが、昔よりはかなり効率が良くなった。乗用車のエンジンの熱効率は20年ほど前は30%ほどだったが今や50%を伺う勢いだ。発電所のタービンなどは既に60%近い高効率も実現されている。石油などの一次エネルギーの供給量を各国のGDPで割ったエネルギー強度は、その数値が小さいほど効率が良いとされるが、仮にクリーンエネルギーを一切使用しなくてもエネルギー強度は改善されていることになる。一次エネルギーとしてはカウントされない再生可能エネルギーを増やせば、エネルギー強度は更に改善する。この指標は同じエネルギーを投じても不景気になれば著しく悪化するが、SDGs自体が開発目標なのでむべなるかな。
ターゲット7.aは「国際協力によりクリーンエネルギーの研究・技術へのアクセスと投資を促進する」だ。地球温暖化が喫緊の課題である以上、クリーンエネルギーの進化もまた急がねばならない問題だ。また、プーチンの戦争で石油や天然ガスの供給が混乱を来したことも考えれば、再生可能エネルギーや燃料の息が長い原子力発電は資源に乏しい日本には特に必要だといえる。
ターゲット7.bは「開発途上国において持続可能なエネルギーサービスを供給できるようにインフラ拡大と技術向上を行う」だ。開発途上国の一部は森林伐採して燃料とする地域も残っており、とにかく近代的エネルギーを供給するのは大切だ。まずは送電のインフラ整備や様々な道具の電化が進んでいないと電力を供給しても意味はない。
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