SDGs ゴール4 質の高い教育をみんなに

 SDGsのゴール4は「質の高い教育をみんなに」だ。現代社会において、教育を受けているか否かは生活力に直結する。教育格差による不平等を防ぐためにも、みんなに質の高い教育を施す必要がある。

 SDGsのゴール4は、4.1〜4.7と4.a〜4.cの10個のターゲットから成り立っている。

 ターゲット4.1は「無償・公正・質の高い初等中等教育を修了できるようにする」だ。日本の義務教育などがこれにあたる。現在、世界で9割ほどはの子供は初等教育を受けられているが、子供も労働力として利用するようなレベルの途上国では教育制度自体はあっても利用しない人も多く、また、一部の特殊な地域では女児の教育が事実上禁止されていたりもする。また、世界的に有償の方が質の高い教育を受けられるが、公正さを保つためには公的な教員の待遇と質の改善が望まれる。

 ターゲット4.2は「乳幼児の発達ケアと就学前教育にアクセスできるようにする」だ。一部の福祉国家を除けば、乳幼児のケアにかかる費用は高額であり就学前教育に関する貧富の差は深刻だ。日本は比較的安価でこれらへのアクセスは可能だが、人手不足から保育園に入りにくいという社会問題が存在する。これは職員の待遇が悪いために人手が不足するのも原因の一つだ。当然だが給与が高いほうが質の良い人材も集まりやすいし、人手が足りず忙殺されれば研鑽も十分には出来ない。

 ターゲット4.3は「高等教育に平等にアクセスできるようにする」だ。日本の高等教育には男女差別が歴然と存在する。既に是正されたが数年前に露見した日本の複数の医科大で女性受験者を不当に不合格にしていた犯罪的案件は記憶に新しい。また、未だに親から進学を禁止されたり、進学しても地元の大学に限定を受けるという女性も多い。成人年齢が18歳に引き下げになったこともあり、そうした事情で進学を断念する女性を減らすように、返済不要の奨学金制度の充実が期待される。

 ターゲット4.4は「働く技能を備えた若者と成人の割合を増やす」だ。社会人も日々学習や研鑽に励まねば進歩はない。単純作業のみさせて給与をなるべく据え置こうとする企業や社会に明日はない。

 ターゲット4.5は「教育における男女格差をなくし、脆弱層が教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする」だ。教育における男女差別以外にも、貧乏人や社会的に差別を受けている人達は教育や職業訓練の機会を逃しやすい。社会のより良い発展の為には是正が必要な問題だ。

 ターゲット4.6は「基本的な読み書き計算ができるようにする」だ。開発途上国には未だに識字や簡単な計算などが出来ない人も存在する。世界的な初等教育の改善とともにそうした人は減少しているが、教育制度の改善前に子供時代を過ごした読み書き計算が出来ない大人にも教育は必要だ。

 ターゲット4.7は「教育を通して持続可能な開発に必要な知識・技能を得られるようにする」だ。持続可能な開発をするためには、人権や多様性に関する教育は不可欠だ。独裁者礼賛を強制する洗脳的教育機関は制限されるべきだろう。

 ターゲット4.aは「安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供する」だ。日本の学校でもかつては、共産テロリストや反社会的集団の関与による暴力の嵐が吹き荒れたこともあった。現在では学校の内側の安全は概ね確保されたが、外側から児童生徒を狙う変質者らもおり引き続き警戒が必要だ。また、身体障害者でも不自由なく学べるような包摂的な学校づくりが必要だ。その上に効果的な学習は成り立ちうる。

 ターゲット4.bは「開発途上国を対象とした高等教育の奨学金の件数を全世界で増やす」だ。マススケールでの教育の効果は身も蓋も無い言い方をすれば、投じた金で決まる。資金に乏しい途上国を救うには援助を強化するしか無い。

 ターゲット4.cは「質の高い教員の数を増やす」だ。日本の教員は、未成年者に対する性犯罪を何度繰り返しても教育現場に復帰する人が多い。人手が少ないというのも、そんな悪質な人材を復帰させる理由だろう。教員の質とは、指導の技能だけでなく仁徳など人間としての質も含まれるのは言うまでもない。とにかく教師の待遇を改善し、性犯罪者が教鞭をとることがないようにして欲しいものだ。

 日本はSDGsが始まってから継続的に、このゴール4は達成されていると評価を受けている。しかし、昨今の政府の方針はとにかく教育にかかる費用を削って、結果だけ出せという無茶なものが多い。その方向性はSDGsに反するものだと言えるだろう。

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