SDGs ゴール9 産業と技術革新の基盤をつくろう

 SDGsのゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」とは概ねインフラや研究開発などの基盤の整備だ。社会に交通、電力、水道、通信などが整っていないとその地の産業は発展できない。産業に関する研究開発がおろそかではイノベーションは起きない。こうした基盤に投資しないと、社会や経済の発展はなく衰退は進む。研究費やインフラ整備などをケチって短期的に節約できても、それで浮いた金額より多くの被害が未来に生じるのは明白だ。

 ゴール9は9.1〜9.5と9.a〜9.cの8つのターゲットより成り立つ。

 ターゲット9.1は「経済発展と福祉を支える強靭なインフラを開発する」だ。文明は治水と共に始まったという俗説もある。インフラなきところに文明もあり得ない。

 ターゲット9.2は「雇用とGDPに占める産業セクターの割合を増やす」だ。包括的で持続可能な工業化を進める事で付加価値を高める努力が必要となる。

 ターゲット9.3は「小規模製造業等の、金融サービスや市場等へのアクセスを拡大する」だ。いくら良いものを作っても市場にアクセスできなければ売れないし、売れても金融サービスを利用しないと良いタイミングでの事業拡大は困難だ。

 ターゲット9.4は「資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大により持続可能性を向上させる」だ。資源の利用効率向上は、自ずと環境にも良いし、持続可能性も向上する。例えば、同じ量の燃料を投入するなら熱効率の良いエンジンの方が仕事量が多く、同じ仕事量なら熱効率の良いエンジンの方が消費燃料が少ない。

 ターゲット9.5は「産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる」だ。産業における生産効率も環境負荷の低減も、科学に基づくものでなくてはいけない。個人の感性に基づいて、当てずっぽうなことをしても無意味だ。

 ターゲット9.a〜9.cは途上国への支援で、ターゲット9.aは「開発途上国への支援強化により、持続可能で強靭なインフラ開発を促進する」だ。ターゲット9.bは「開発途上国の技術開発・研究・イノベーションを支援する」だ。ターゲット9.cは「後発開発途上国における普遍的・安価なインターネット・アクセスを提供する」だ。開発途上国は伸び代も大きい。これらの国への投資は単なる支援にとどまらず、その経済発展により新たな市場を生み出すことにもつながる。

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