SDGs ゴール6 安全な水とトイレを世界中に

 SDGsゴール6の安全な水とトイレに関しては、日本はほぼ問題ない。日本の下水道普及率に関しては8割ほどしか無いものの残りの2割も浄化槽などにより管理されており別に垂れ流されている訳ではない。だが一方で自然派などと呼ばれる狂った集団が、わざわざ消毒されていない水を飲み、処理が不十分な糞尿を肥料として撒き散らすなどの不衛生で危険な行為をしており、ごく一部とはいえ日本にも危険な地域は存在する。

 ゴール6はターゲット6.1〜6.6と6.a,6.bの8つがある。

 ターゲット6.1は「安全・安価な飲料水の普遍的・衡平なアクセスを達成する」だ。途上国に行ったことがある人なら分かるだろうが、水は安全ではない。欧米でも安全な水は安価とは言い難い。日本人は安全で安価な水のありがたさを知るべきだ。一部の自治体では、上水道の管理が無駄だとかと言って一般企業に施設と権利を売却しようとしているが、利益を追求して安全や職員の健康を無視するような企業に水道管理を任せてはならない。

 ターゲット6.2は「下水・衛生設備へのアクセスにより、野外での排泄をなくす」だ。下水や衛生設備の無い国や地域は、申し訳ないが、本当に汚く危険だ。不衛生な環境では人は簡単に死んでしまう。ゴール3にも関連して可能な限りの支援が必要だ。

 ターゲット6.3は「汚染の減少や有害物質の投棄抑制により水質を改善する」だ。河川などへ処理していない糞尿を垂れ流すことや、工場からの有害物質の廃棄は、その下流で水を利用する人々や河川の生態系に深刻な被害をもたらす。しっかりとした管理が必要だ。

 ターゲット6.4は「水不足に対処し、水不足に悩む人たちの数を大幅に減らす」だ。人間が利用できる水には限りがあるが、浄化技術の向上などで効率化は図れる。また、比較的水資源の豊かな先進国では人口増加に歯止めがかかっているが、水も食料も不足しがちな地域で起きる人口爆発は更なる悲劇を招く恐れがある。

 ターゲット6.5は「国境を越えた協力を含む統合的な水資源管理を実施する」だ。これの日本ではなじみが薄いが、陸で国境を接する国では水資源管理は重大な問題だ。中国は東南アジアに向かうメコン河の流れを人為的にコントロールし政治的圧力としても利用している。水源地の確保には戦略的な意味もある。これは中国がチベットへ侵略した理由の一つでもあると言われる。このような暴挙を許してはならない。

 ターゲット6.6は「水に関わる生態系を保護・回復する」だ。水に関する生態系は、各地域で人が管理する河川や湖沼や海の一部だけでなく幅広く繋がっており広大な範囲の生態系に影響を与える。生態系の保護は持続可能な開発のためには必要不可欠だ。

 ターゲット6.aは「開発途上国に対する、水と衛生分野における国際協力と能力構築を支援する」だ。開発途上国は自力で安全な水を十分に確保するのは困難であり国際的協力が必要なのは言うまでもない。

 ターゲット6.bは「水と衛生の管理向上における地域社会の参加を支援・強化する」だ。水の管理は他人事ではない。水は命に直結する。それを管理する者には高い倫理性が要求される。地域住民が水を守る姿勢を見せないと、怪しい企業にその権利を売却する自治体が出てこないとも限らない。

 日本は長らく安全と水はタダだと信じて生きてきたが、そろそろ考え方を改めた方がいいだろう。

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