悪党への慈悲

 世の中には他人を傷つけたり殺したりして喜ぶ人がいます。その被害者や遺族が悪党を口汚く罵る例も見られます。被害者達の心情からすれば当然のように思えますが、相手が悪党であれば何をやってもいい訳ではありません。もちろん、批判された悪党がこれらの自分に向けられた批判をマナー違反だと言うのも違います。悪党はまず反省すべきです。

 悪党にも慈悲をもって接するべきです。ただそれは、悪党に好き放題のわがまま勝手にさせようというのではありません。悪党がこれ以上の悪さをしないようにするのが悪党へ対する慈悲というものです。例えば、悪党が刑法に違反している場合は、彼らを収監してもらうことで当面は悪事を働けなくなります。その間に反省する機会もありましょう。また刑事罰に問えない場合でも、悪事を働けないように社会的な圧力を加えたり、法の改正を促すことで抑止を目指すこともできます。

 自分の仲間にだけ親切にするのは慈悲ではなく執着です。悪党にも慈悲をもって接するべきです。

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