温暖化対策とコロナ対策
コロナ禍ではワクチン、マスク、三密回避や移動制限など様々な対策がなされた。そのかいもあって少なくとも現時点では日本の被害は海外より少ない。それぞれの国や地域の社会資源は有限であり無制限の対策は出来ようはずもなく、また各国ごとの文化もあり対策の強弱は世界的にはバラバラだが、少なくとも人類の大半は新型コロナウイルスを脅威とみなして対策を行った。このウイルスをタダの風邪だとみなす陰謀論者達もいたが、幸いにして彼らは少数派だった。ただ、無視できない規模の少数派であり、一部の自治体では陰謀論者が首長となって対策に支障をきたしたりもしていた。
コロナ陰謀論者は間違っているが少数派だ。彼らはコロナ禍が収まっても存在し続けて自分の正しさを主張するだろうが取るに足りない勢力であり、社会は彼らを生暖かく見守ることも可能だ。だが現在、新型コロナウイルスよりも遥かに深刻な問題において陰謀論者が野放し状態となっている。地球温暖化を否定する陰謀論者達だ。新型コロナウイルス感染症は短期間に目に見える被害があるので実感しやすいが、真綿で首を締めるように進行する地球温暖化はそういえば昔より暑いな程度としてしか体感しにくく、データを読めない人間には事態が深刻であるとの実感はわかない。
地球温暖化は科学を知らない者には分かりづらい話だ。陰謀論者が喧伝する「地球温暖化なんて嘘だ!大企業と政府が儲けようとしてグルになっているんだ!」などというまるで世界中の国や企業が一枚岩の結束を誇る悪の秘密結社であるかのようなヨタ話を信じる輩は意外と多い。科学リテラシーに乏しい人間は、意図的にピックアップされたり編集されたりしたデータやグラフを提示されても疑問を持たずに科学的に正しいと信じてしまうものだ。そこに、大企業や国家などのヒールを配置して恨みを煽れば容易に人は騙される。
そうならない為にも科学リテラシーの教育は大切だし、ルサンチマンを煽られたくらいでゆらがない心を培う教育も必要だと言える。また、そもそも論として現代の技術で地球温暖化に立ち向かうのは難しく、さらなる技術革新のために基礎的教育レベルもあげるべきだ。高校で三角関数を教えるななどという馬鹿な議員もいるようだが、教育にはふんだんに予算を割いてほしいところだ。
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