法に反しなければ何をやっても良いという誤解
法に反しなければ何をしようが自由だという考えの人がいます。しかし、法律は変わるものです。例えば飲酒運転は1970年より前は罰則がありませんでした。飲酒運転はやめた方がいいという世論があったから法律が改正されたのです。この今でも続く世論に対して飲酒運転の自由を弾圧する恐るべきキャンセルカルチャーだなどという人間が誰かいるでしょうか?
社会には違法では無くても脱法状態の問題はいくらでもあるものです。それに対する批判をやれ言論の自由に対する弾圧だとかキャンセルカルチャーだなどと言う方こそ自由な批判を阻害しているのでは無いでしょうか?そもそも批判をされても反論する自由はあるし、実際にキャンセルカルチャー云々という人達が彼らへの批判者をそれはそれは口汚く罵っている様もしばしば目にします。世間から眉をひそめられている者がちょっと苦情を受けただけで言論の自由が侵されたなどと騒ぎ立てるのはどれだけ自分らを被害者に見せたいのかと思わず失笑してしまいます。
立法府では選挙で選ばれた議員が世間の声を聞いて法を改正したり新たに作ったりするのです。2016年に成立したいわゆるヘイトスピーチ解消法も罰則は無く日本人に対するヘイトスピーチは対象外ではあるものの、ヘイトスピーチを許さない世論に押されて成立した法です。それより以前はヘイトスピーチは合法でした。合法だから批判してはいけないなどという乱暴な意見がまかり通れば今でもヘイトスピーチは合法のままだったことでしょう。
このヘイトスピーチ解消法が成立しかけた時も多くの差別主義者どもが表現の自由を守れと言いながら暴れまわっていたのが思い出されます。今後、罰則規定や日本人に対するヘイトも禁じるなどの改正が必要ではありますが、大きな方向性としてヘイトスピーチが表現の自由と認められる日は当面もどっては来ないでしょう。歴史を振り返っても戦後社会の倫理的な浄化はとどまるところを知らず進んでおり、大戦争や大災害で社会基盤が破壊されない限りは、このまま社会のホワイト化は止まらないと思われます。脱法のプロ集団だった暴力団も今や壊滅状態です。昔と比べれば実に素晴らしい時代になりました。法に反していないことはやり放題だという思想は今すぐすてた方が良いでしょう。
コメント
コメントを投稿