今後のツイッターはどうなる?

 ツイッター社を買収したイーロン・マスクが、凍結されているドナルド・トランプ前アメリカ大統領のアカウントを復活させようとしている。

 ツイッター社は公的機関ではなく私企業なので、彼らの判断でアカウントを凍結しようが復活させようが自由だ。それ自体は問題ない。だが、極度のデマやヘイトすらも表現の自由の範疇とみなし規制を嫌う姿勢は、公共に対する脅威だ。ネット中心に組織されアメリカ議会を襲い警官を殺害したQアノンらのテロリストを一企業が許しても各国の刑法は許さない。ツイッターで過激派を野放しにすることはこうした犯罪の増加を招きかねないが、見える化することで官憲による危険因子の監視には有利かも知れない。

 イーロン・マスクは匿名を嫌っているとも言われる。これも恐らく上記の規制緩和と関連する。つまり、ツイッターでの発言はあくまでも個人の責任であって、プラットホームを提供する会社は責任を負わないようにするためだろう。規制せずに殺人予告や脅迫や侮辱などのツイートが乱舞し、それを一々イーロン・マスクが賠償していれば世界有数の富豪でも破産しかねない。

 自由には責任が伴うものだ。実名化もいいだろう。だが、実際にはツイッターには匿名のユーザも多い。実名だとしがらみで言えないこともあるからだろう。小生も現役の医師であり、身バレすると色々面倒だから匿名でツイッターのアカウントを持っているが、ツイッター社がその気になれば特定されるだろう。匿名で続けるのもどうも居心地が悪い。ツイッターの実名化が進めば、無難な事をいうアカウントだらけになり、エキセントリックな発言をする輩が目立つようになるかも知れない。ただ、そうなると第二のFacebookが出来るだけな気もする。

 しばらくは様子見だが、個人的には明らかなデマやヘイトは今より規制してもいいくらいだと思っているので、残念なことだ。

コメント

このブログの人気の投稿

妙好人、浅原才市の詩

現代中国の仏教

懐中名号