ロシア軍の住民虐殺

 ウクライナが首都キーウ(キエフ)に迫っていたロシア軍を撃退しつつある。これによりウクライナが奪還した地域の惨状が明らかになってきている。

 ロシアの占領から解放された街には何百もの市民の死体が放置されていた。その多くは後頭部を撃ち抜かれ、縛られてから撃たれた者もいた。これらは誤射や戦闘に巻き込まれたのではなく、非武装の市民をロシア軍が処刑した事を意味している。また、道路脇に裸の女性4-5名がまとめて焼かれていた例もあった。何らかの理由で彼女らの身元を隠す必要があったのか、それともロシア兵による強姦の証拠を隠滅しようとしたのかは分からないが酷い話だ。ソ連の頃から何も進歩していない。また、キーウ方面へのロシア軍による侵略の起点となった隣国ベラルーシでは、ウクライナからの略奪品による市が立っているともいう。ロシア軍の士気は低いと聞いていたが、軍規も存在しないらしい。
 
 この現実を前にしても、親露派のファシストたちは、戦争とは男は殺され女は犯され財産は略奪されるものだ、アメリカだってやっていると主張してどっちもどっち論に持っていこうとしている。確かに、アメリカの占領下でも米兵による犯罪行為は発生するが、例外的な事例であり犯人は概ね裁かれている。納得出来ない判決もあるが、ロシア軍とでは比較にならない。どっちもどっち論者は、シリアやジョージアでのロシア軍の悪逆非道ぶりと、アメリカ軍のイラク進駐とを比較して欲しいものだ。

 この戦争、ウクライナからロシア軍を撤退させたとしても、ロシアの独裁制は続く可能性が高いし、ロシア軍も解体されないだろう。プーチンの第三次世界大戦になってもいいのかという恫喝に世界が屈して手を緩めれば、後日さらなる悲劇が世界を襲うだろう。侵略者への妥協は敗北と同じだ。悪しき前例を作れば真似をする馬鹿な国も出てくるだろう。だから、戦争が終結してもロシアへの国際的な圧力は続けるべきだ。そうでないと、虐殺されたウクライナ市民も侵略に抵抗して死んだ兵士たちも浮かばれまい。

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