無添加の表示
先日、消費者庁から発表された「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」では今まで野放しだった誤解を招く表示に規制がかけられる事になりました。
一部の自然派などと呼ばれる人たちが食に関して天然や生を好み人工や化学や合成を嫌う傾向はもはや病的とも言えます。現在、日本で流通している食品添加物は決められた通りに使う分には安全です。むしろ加工食品に保存料が使われていない方が健康には有害であると言えるでしょう。食中毒をなめたら死にます。細菌やカビや毒物など天然素材にも危険がいっぱいです。清潔に生産され安全性が確認された食品添加物を毛嫌いする意味が分かりません。また、食品添加物にも灰汁などの天然素材はあります。
自然派の誤った知識が広められた事により、無添加!合成(化学・人工)なんとか不使用!と煽り文句を商品につければ売れる現象が起きました。しかし、自然派が直接扱っている不衛生で危険な食品以外では実は食品添加物が全く使われていない加工食品は稀です。つまり、日頃スーパーマーケットなどで見かける無添加!無使用!などの表示はほとんど嘘っぱちの詐欺なのです。
今回のガイドラインは主にこうした不当表示を廃し、食品添加物に植え付けられた誤った印象を解消する狙いがあります。例えば、無添加!とだけ書かれていれば、騙されている消費者から見たら危険な薬品が添加されていない安心な食品に見えますが、何が添加されていないのか書かれていません。これまでは、元々使う予定のない添加物が添加されていなければ無添加と書けてしまいましたが、今回のガイドラインでは規制され何が無添加なのか書かなくてはなりません。また、保存料不使用!と書きながら類似薬品の日持向上剤を添加するような紛らわしい表示も禁止されます。他にも、そもそも使ってはならない薬品を使ってませんとわざわざ強調して書く事を禁じるなど、様々な詐欺的表示が規制されるようになりました。
こうした詐欺も、食品添加物が危険だという誤ったデマが広く流布されているから起きるのです。正しい科学知識を広めていくことが、被害者を減らすためには必要と言えるでしょう。
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