子供への暴力

 大人による子供への暴力は実子や養子への物が大半だ。そして、これらは隠蔽を図られる。転んで怪我をしただとか、目を話したスキに熱い風呂に転落したとか、言い訳は様々だ。

 だが、世の中には子供への暴力を良いことだとしてわざわざ自ら記録をとって公開するものまでいる。近日、世間を騒がせている映画撮影時のメイキング画像では、リアルさを出すためにとプロデューサーらが子役を何発も殴り、結果としてよい表情が撮れたという自慢話をしている。つまり、この監督は子役に恐怖や緊張のリアリティがある表情を作らせるために殴ったのを悪いことだと思っていないのだ。

 映画界をはじめ、中高の部活では指導と称する暴力は今でも行われている。熊本の高校でもサッカー部コーチによる生徒への殴る蹴るの暴行が動画撮影され告発されたが、その後、驚くべきことに学校制作による加害者擁護の動画が公開された。そこでは生徒らが並ばされて、日常的な暴力は無いとか、自分たちがコーチを馬鹿にしたのが悪かったのだという風に言わされている。

 さらには、中学生女児を妊娠させた政治家までおり、しかも、その政治家は子供を妊娠させるのは悪いことではないとまで言い切っている。

 これらは明らかに日本も1994年に批准している「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」に反する。子供には、育つ権利、暴力や性的搾取から守られる権利、意見を表す権利などがあり、当然これらの権利は守らねばならない。人道的にはもちろんだが条約を批准しておいて無視はありえない。
 
 日本ではしつけと称する子供への暴力や性的搾取が目立つ。日本が子供の人権侵害に対して国際的な非難を浴びた時に、何が悪いと居直る人も多いが、一度くらいは子どもの権利条約を読んでほしいものだ。

以下、外務省の「児童の権利に関する条約(全文)」のリンク

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