日本の社会活動とレイシズム
社会活動は良かれと思ってやっている人たちが大半であろうが、中には偽装したレイシズムも存在する。悪事をやらかしてしまった国家に対する抗議活動においては、しばしば当該国民に対する民族差別が生まれる。
例えば、プーチンの戦争に関してもロシアに対する抗議とか義憤などと理由をつけて、在日ロシア人が迫害されたり、ロシアの曲の演奏会が中止になったり、ロシア語の案内表示が取り外されたりなど、本来標的にすべきでは無い人や物が攻撃されている。ロシアに対する報復感情が行き過ぎたのだろうが、レイシストが乗っかって騒いでる場合もあるだろう。
同様の事は、対アメリカでも、対中国でも、対南北朝鮮でも、その他あらゆる国や地域の問題で生じる。その国の問題点に抗議するのと、その国の人を差別するという結論が先にあって何かしら問題を探すのは、実際にとる行動が似ていても全く別物だ。
しかし、日本国内において、この被害にもっともさらされているのは実は日本人かも知れない。他国と同様に日本にも多くの社会的な矛盾や理不尽が存在しており、それらをただすのはよいことだ。だが、日本に問題があるのは日本人が劣等民族だからだという結論に導こうとして、社会問題の解決を目指すのではなく問題を日本人を攻撃する材料とする人もいる。著しくは捏造された偽の情報が日本人へのヘイトに利用された場合もあるので油断ならない。
そして彼らの存在は思わぬ二次被害を生む。日本をより良くしようと社会活動を続ける人たちまでも、こうしたレイシストだとの誤解を世間から受けるのだ。こうした誤解は極右集団が社会活動家への攻撃を正当化する口実としても利用される。
トランプ前大統領支持者の一部に見られる陰謀論史観をそのまま支持する日本の極右には特にこの傾向がある。彼ら陰謀論者は、地球温暖化対策を訴える活動家には日本に被害を与えるために嘘をついているなどと言い、ジェンダー問題や性犯罪対策を扱えば少子化を推進するとか本能の否定だとか言って性犯罪を擁護するし、ヘイトスピーチ対策をとれば表現の自由を侵害したと騒ぐのだ。そして、日本や世界を良くしようとして活動する人達に反日なる謎のラベリングをするのだ。
結局の所、愛国を叫ぶ極右が日本の改革を阻害し続け、結果として日本人へのヘイトを煽るレイシスト達の手助けをしているのは笑えない冗談だ。
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