侮辱罪の厳罰化

 今国会で侮辱罪を厳罰化する刑法の改正が目指されている。この法案が成立すればヘイトスピーチやネット上のしつこい嫌がらせがいくらかは減るかもしれない。基本的には良いことだ。

 しかし、日頃からヘイトスピーチをするような人達は早速この法案に反対を意を表している。お題目はいつも通り言論の自由だ。

 また、国家権力が侮辱罪を拡大解釈し政府批判を封じ込めようとしているなどという意見は的外れだ。政府がそのつもりなら現在でも侮辱罪はそのように運用されているだろうが、政府がその批判者を侮辱罪で提訴した例は無い。そもそも司法は独立しているのだから、そんな無茶が効く訳がない。もちろん政治家個人から侮辱罪で訴えられる事はあるだろう。しかし、批判と侮辱は違うのだから、批判しているだけならなんの問題も無い。中には侮辱を批判の手段と捉える人もいるようだが、その考えは間違っている。例えば、ある政治家が如何に悪逆非道であっても、その先天的な問題や出自などに対する誹謗中傷はヘイトクライムとして裁かれるべきであり、侮辱する方が悪いに決まっている。

 なんだかんだと理由をつけても、多くは自分の発言が侮辱罪に抵触するかもと恐れるから反対するのだろう。ついうっかり侮辱してしまったのなら謝って訂正するべきであり、他人を侮辱する権利を主張し続ける方がおかしいのだ。

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