各宗派の戦争反対声明

 プーチン戦争が始まってから日本仏教の諸宗派は戦争反対、暴力反対の声明を発表しています。人々を苦しみから救う仏教の心が示された事は、平和を愛する諸国民にも励ましとなっている事でしょう。以下に主な宗派の声明のリンクを貼っておきます。

天台宗

https://www.tendai.or.jp/oshirase/?msg-ukraine

曹洞宗

https://www.sotozen-net.or.jp/syumucyo/20220301_5.html

臨済宗妙心寺派

https://www.myoshinji.or.jp/hp/statement/1367

浄土宗

https://jodoshu.net/infomation/12906/

真宗大谷派

https://www.higashihonganji.or.jp/news/declaration/19111504/

日蓮宗

https://www.nichiren.or.jp/information/statement/20220225-5879/

真言宗智山派

https://chisan.or.jp/news/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E6%83%85%E5%8B%A2%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A3%B0%E6%98%8E


 さて、そんな中にあって日本最大級の仏教宗派の一つは未だに沈黙したままです。そればかりか、その宗派と関係の深い芸能人の一部はプーチンの主張そのまま陰謀論を唱えています。つまり、ロシアとの約束を破りNATOが東へ拡大したためにロシアは自衛のために仕方なく立ち上がったのだというもので、その黒幕がアメリカでありウクライナの現政権はアメリカの野望の尖兵であるとする荒唐無稽なものです。この理屈はまず前提条件から間違っており、アメリカとロシアの間にNATOを東へ拡大させないという約束は存在しません。プーチンがそうあって欲しくないと思っていただけです。そもそも、NATOに参加するかどうかは各独立国とNATO参加国との間で話し合われる問題であり、それを大国間で決めてしまうのはナチスドイツとソ連の間で結ばれたポーランド分割の合意と同じ帝国主義者の発想です。そのような帝国主義的発想のロシアが、気に入らないウクライナを軍事的に恫喝をして言うことを聞かせようとして、それが受け入れられないからと侵略を開始したのです。プーチンに同情すべき点はありません。また、もしこの宗派と懇意の芸能人の言い分が正しいのならば、条件さえ整えば侵略戦争を仕掛けるのは正しいという結論になります。こんな理屈は少なくとも仏教徒としてはあってはなりません。果たしてなぜこの巨大宗門は沈黙したままなのかは分かりませんが、もしプーチンに同情的であったとしても仏子ならば戦争反対とは言うべきです。実際にこの宗派の地方支部では戦争反対を唱える僧侶もおり、幸いにみんながみんな戦争を賛美している訳では無いようです。心当たりのある門信徒はよろしく御門主様にお伝え下さい。


※追記:このブログを書いた3月8日付で浄土真宗本願寺派(西本願寺)からも戦争反対の声明が発表されました。ありがとうございます。南無阿弥陀仏。

https://www.hongwanji.or.jp/news/cat5/001745.html

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