眉唾ワード

 今日、全国規模でノーマスク反ワクチンデモが行われた。この人達の主張によると世界は闇の秘密結社に操られており、それに立ち向かうために現れたのがトランプ元アメリカ大統領などの真実に目覚めたヒーローたちであり、それを支持して行動しているのだという。彼らは公衆衛生に対してのみならず、既に治安と秩序の敵だ。馬鹿馬鹿しすぎて反証の必要もないが、日々ネットの偽情報に晒されていると騙されてしまう人もそこそこはいるようだ。

 実際に、デマを煽るいわゆるインフルエンサーに対する信者の賛辞をみると、よくぞ真実を語ってくれたなどというような言葉で溢れている。煽る方も「マスコミが伝えない真実」とか「だれも知らない真実」とか「国民は何某に洗脳されている」とか世間の常識とは別にあたかも少数の選ばれた人だけが知っている世界の真実があるかのような煽り言葉が目立つ。自分だけが知っている必勝法を教えてほしければ金を払えという教材詐欺や投資詐欺と同じだ。最近では広告収入を当てにして何らかの品物や情報を売らずにおく人も多く、詐欺として捕まりにくくするという対策まで打っている。

 この世に少数の人間だけが知っていて他の全人類が騙されている真実が存在する可能性は無視し構わないほどに低い。だからもし「少数だけが知っている世界の真実」に類する事を言ってくる人がいたら、それはほぼ確実に嘘や詐欺だ。だから、その証拠を出すように言っても全く証拠にならないものをありがたそうに提示してくるだけだ。それに対しいちいち反証してもよいのだが、そんなことを言ってくる人間は山程おり、反証する手間や時間を考えるとはじめから相手にしない方がいい。もし本当にそれが真実ならばそう遠くないうちに実証される。そもそも真実だと主張する方がロクな証拠を出せない時点で終わっている。

 ワクチンとか地球温暖化とか選挙とか原発事故とか地震とかそういう大きなイベントが起きると必ず「少数だけが知っている世界の真実」という眉唾なことを言っている人がいる。そんなのに騙されるような人間は近くにいないよと笑われる方はいるかもしれないが、残念なことに認知機能が低下してきた人が騙される例もあり、日頃あっていない高齢の家族がいる人は用心にこしたことはない。

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