ヒューマンエラーを防ぐ機械
ヒューマンエラー、人為的な失敗は作業を続けている限りいつかは必ず起きる。ヒューマンエラーが起きたならば、それをつぶさに分析し、どうすれば再発の頻度を減らせるのか対策を考えるのが常だ。
その対策は作業マニュアルの作成だったり、職場環境の改善だったり、指示系統の見直しだったり色々あるが、便利な道具や機械を使うのも一つの手だ。
無論どんな対策も万全ではあり得ないのだが、対策案の内容が既存の方法よりも人間の努力が減るものに関してはしばしば反論を受ける。人は楽をすると油断をしてミスが増えるというのが彼らの言い分だ。
しかし、彼らは人間の注意力や努力に依存する方が危険だということが分かっていない。極度の努力や集中力はそうそう持続はしないのだ。対策は可能な範囲でなるべく作業する人が楽をできるように考えられるべきだ。もちろん個々の作業において集中してミスがないように努力するのは良いのだが、個々人に努力せよという命令だけでは作業の効率や安全性は頭打ちになる。
しかるに、便利な機械や道具が登場したときに、こんなものに頼るのは危険だというのは間違っている。例えば、自動車の安全機能に関しても機械に頼ってドライバーの運転技能が下がるなどという人間がいるが、そもそもこうした機能はヒューマンエラー対策であり、個人の注意や努力を超えて危険が迫った時のバックアップなのだから批判自体が的外れだ。初期の自動車にはバックミラーすら付いていなかったのだが、現在、鏡を頼って後方確認を疎かにするなどと文句を言う人が果たしていようか?バックミラーには死角があり目視で後方や側方を確認するは常識だが、それでも完全ではない、機械的な目にも助けて貰えるのは純粋にありがたいことだ。レギュレーションがあるレース競技でもなく公道を走るのであれば安全機能はあった方がいい。便利で楽をするのが人間の質を下げるというのならば、パソコンもスマホも使わずに仕事をしてみればいい。ミスは今の何倍にも膨れ上がり作業効率は著しく低下することだろう。
道具は使いこなしてナンボやで。
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