拡大自殺という言葉
拡大自殺という言葉がある。言葉の定義にはやや混乱もあるが、アメリカ精神医学会によると、自殺のプロセスとして殺人と自殺の両者を行うことで、自分のアイデンティティの一部に属すると感じる「拡張された」自己(である他者)を殺害し、その後に自殺を遂行することだとされる。この拡大自殺(Extended murder)は自殺の前に意図的な殺人を行う(Murder-suicide)の一部だ。
最近この拡大自殺という言葉がMurder-suicideの意味でマスコミで使われているのではないかとの疑問がある。元々自殺する予定の人が自殺前に強い怨恨の念で行った殺人に拡張されたアイデンティは関与しない。自殺の前にやっていることはただの殺人だ。この行為を拡大自殺と言ってしまうと殺人のニュアンスが薄れてしまい、精神病理的な話に聞こえてしまう。また、自殺を企図する本来は救うべき人間に対して過度に何をするか分からない危険人物であるかのような印象をもたせる恐れもある。
拡大自殺などと言わずに、殺人後に自殺したと言った方が良いのではないかと思う。強いてい言うならMurder-suicideを直訳して殺人自殺か?
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