ナスルディン・エペンディ

 ウイグルの昔話にナスルディン・エペンディというおじさんがよく登場する。そのだいたいは頓智話で、王様や商人や役人や欲張りな人をやり込めるものが多い。

 その一つに、王様から自分が死んだら天国に行くのか地獄に行くのかと訊かれたナスルディン・エペンディが王様に斬首された人で天国が満員だから地獄に行くと答える話がある。

 なんとも因果応報な話だ。ナスルディン・エペンディが今の東トルキスタンを見たらなんと言うだろうか?全知全能の神の天国が定員オーバーすることは無いだろうが、あまりにも多くの人が死んでいる。

 イスラム教では人間の左右の肩には天使がいてその人の行いを記録しているという。独裁者の肩の上で、その悪逆非道っぷりを記録し続けなければならない天使には同情を禁じえない。

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