人身取引
人身取引とは一般には人身売買と呼ばれる行為です。日本の行政機関では売買ではなく取引と称します。金銭による売買に限らないので人身取引で良いのですが、やや語感が弱くなる印象はあります。
さて、国連の人身取引議定書でも人身取引は禁じられています。この人身取引の定義を簡単にまとめると、搾取を目的として暴力などの強制力による脅迫などの手段を用いて人間を取引することを言います。搾取の内容は管理売春や奴隷労働や臓器の摘出が含まれます。被害者が搾取に同意していたとしても、暴力などの強制力による手段が用いられていれば人身取引にあたります。この手段は直接的な暴力や脅迫の他、誘拐、詐欺、欺罔、権力の濫用、脆弱な立場に乗ずること、金銭や利益の授受が含まれます。また、18歳未満の人間の取引はこれらの手段を用いなくても人身取引とみなされます。
つまり、世間にありふれている借金の棒引きを条件に管理売春を強要するという話は人身取引にあたります。ですが、実際にはあまり取り締まられていません。本当は人身取引でも建前上は、借金を返すために女性が自主的に風俗店に勤務して、店が禁止している売春行為をこっそりと勝手にやっているというデッチ上げの話がまかり通っているからです。
外国人技能実習生も来日に伴い多額の借金を負わされ奴隷労働を強要されている人が多く事実上の人身取引です。これもほぼ取り締まられません。取り締まられても元締めの政府ではなく末端受け入れ先が処罰の対象です。日本国は国家主導で堂々と人身取引をしており由々しき事態です。
労基違反の低賃金で過労死しそうな奴隷的労働をさせる企業も労働者に対して詐欺・欺罔をもってそうせざるを得ないと思い込ませて支配しているのですから人身取引といえるでしょう。これも人身取引としては全く取り締まられていません。
こうしてみると、現実的には人身取引は取り締まられないと考えて間違いありません。自分や家族や友人が被害に合わないように互助の精神を大切にして参りましょう。
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