天中天

 天中天とは神の中の神、つまり神々を超越した存在の意味で通常はお釈迦様の事を指します。仏教的世界観では、天や神も人間と同じ有限の命しか持たない煩悩と因縁の連鎖の中に現れる仮初の存在であり、仏はその枠外です。その違いを強調した言葉が天中天です。

 さて、天中天のお釈迦様ですが生まれた時は人間でした。そうではないという人もいますが、歴史的には人間だったのは間違いないです。素質の差はあるにしても、人間なせばなるものです。

 人も仏に成れるとの説は大乗仏教の基本の一つでもあります。どんな絶望的な状況からでもどうにかなるという教えは過去から多くの人を救ってきました。この安心感は結果的に執着を薄くし苦を減らす効果もあると言えます。ただし、仏に成ることにも執着せずに、目の前の修行を一つ一つこなしていくのが肝要です。なんくるないさ。

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