ズィハール離婚

 イスラム教以前のアラブ地域ではズィハール離婚という制度がありました。

 これは夫が妻に「あなたは私の母の背中のようだ」宣告することにより離婚が成立し、宣告された元妻は元夫に慰謝料や扶助を請求できず、再婚も禁止されるというものです。

 この制度は男性が妻に対して事実上、生殺与奪の権をもっていることを意味します。当然ながらこの制度が是認される社会では女性の地位は著しく低く、女児が生まれれば殺害されることもしばしばでした。

 イスラム教の誕生によりこれらの行為は禁止され、当該地域の女性の地位は向上しました。イスラム教はムハンマド以前の時代を無明時代(ジャーヒリーヤ)と呼びます。

 しかし、現代では逆にいわゆる原理主義者のイスラム解釈は、女性に対して著しく差別的です。確かにクルアーンには夫はしつけとして条件付きで妻を殴る権利が認められたりしていますが、ジャーヒリーヤを終わらせた理念を考えれば、タリバンやイスラム国の様な歪んだイスラムの解釈で女性を殺害してまわる方がジャーヒリーヤ的だといえます。

 アフガニスタンもまだまだ大変な状況です。彼の地で人権が守られるように願うばかりです。

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