法螺
法螺貝は戦国時代を扱った時代劇の戦場で吹き鳴らされたりするので有名ですが、法華経や無量寿経にも仏の説法の例えとして法螺を吹くとの表現がされており、これらの経典が成立した時代の北部インド地方でも巻き貝を大きな音を出す道具として使っていた様です。法螺の螺は巻き貝の意味ですから、仏法と法螺は当時から関係が深かったのでしょう。
一般に法螺を吹くと言うと、話を大げさに盛ってでまかせを吹聴する意味になります。仏でもない人間が、自らを仏であるかのよう語ればなるほどホラを吹いたことになります。仏教の法具としての法螺貝は、今でも修験道や密教などの一部宗派で法螺貝を吹く音を魔除けなどに使っています。
法螺貝はチベット仏教でも笛のように使われています。また、ハワイでも法螺貝の楽器があり、フランスの古代遺跡でも笛としての法螺貝が見つかっています。恐らく文化が伝播したのではなく、各々で楽器のように使っていたのでしょう。昔々の世界各地でそれぞれの土地の人がふと巻き貝を吹いてみて「おお、大きな音がする!」と感動したのだろうなと思うとなんだか微笑ましいですね。
コメント
コメントを投稿