コロナ時代と飲酒
世界各地で新型コロナウイルス感染症によるロックダウンや在宅勤務化が行われてきたが、そのストレスからかアルコール乱用の問題が報告されている。アメリカで行われた調査では在宅勤務の労働者の32%が仕事中に飲酒していたという。イギリスでもロックダウン開始となった2020年3月のアルコール飲料売上は前月比で31.4%増加したと伝えられる。
一方で、ロックダウンもなく在宅勤務化も進んでいない日本では酒類の売上はコロナ禍当初は激しく落ち込み、時間経過とともに徐々に回復しつつある。日本では外飲みがしにくくなった時に、わざわざ酒を買ってまで自宅で飲もうという人が少なかったのだろう。白人と比べて下戸が多い日本では酒宴も付き合いや仕事という意味が大きく、そういう場では遺憾ながら飲まれずに廃棄されるものも多かった。コロナ禍前の経産省の報告でも日本の酒類消費の主役は外食産業であり、酒類の売上の不振は外食産業の不振と関係が強いと言えるだろう。日本ではコロナ禍のストレスからお酒に溺れる人は欧米よりは少なさそうだが、それでも元々のアルコール依存症の人の症状が増悪したり、新たな依存症患者が発生する可能性はあると思われ、警戒が必要だろう。
また、コロナ禍のストレスに伴うと思われる虐待事件は世界的に増加しており、飲酒がこれに加われば暴力に対する抑制が薄れて危険だ。
仏教徒には不飲酒戒があり、お酒は飲まない方が良いのだが、虐待や犯罪防止の面からも少なくとも楽しくないお酒は飲んではならない。楽しくても程々にした方がいい。気分が落ち込みイライラして怒りに満ちたままお酒を飲んでも何も良いことは無い。
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