アシッドアタック

 アシッドアタックとは南アジア地方で多い犯罪で、被害者の顔面を酸で焼き肉体的な障害と精神的な打撃を与えることを企図した犯罪であり、その被害者の約八割は女性です。アシッドの名前の通り塩酸や硫酸や硝酸などの強酸が用いられることが多く、強アルカリは基本的に使用されないようです。強酸の方が入手が容易であるためとも言われますが、寧ろ強アルカリの方が身近な素材で合成可能だと思いますので、犯人がイメージだけで出来合いの強酸を使うのでは無いかと思います。

 アシッドアタックは殺害や傷害よりも顔を焼いて当人に精神的打撃を与え、周囲への見せしめにすることが目的です。飛び道具とは違い近距離から攻撃する必要がありますが、その際に自分に酸がかかる事を避ける必要もあるので、身長が低く攻撃が外れても犯人の脅威となるような反撃をされる可能性が少ない女性が主に狙われることになります。

 犯人の動機としては女性差別に基づく暴力や歪んだ価値観による懲罰によるものが多いです。また、武器の所持につき厳しい制限があるイギリスなどでは、通常の武器より比較的容易に入手可能な強酸が犯罪に利用されているとの説もあります。

 さて、詳細な情報は当局が取調べ中ですが、日本でも先日アシッドアタックが発生しました。武器所持の制限に関しては日本も厳しい方であり、今後は毒劇物を使った犯罪の増加にも十分に警戒する必要があるといえるでしょう。また、犯罪の陰湿性からみて現行法で可能な量刑も軽すぎると思われ法の整備もお願いしたいところです。

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