コロナとお寺
コロナ禍のせいで一部の例外を除けばどこもかしこも不景気だ。特に観光業や飲食業や歌舞音曲などの芸事を生業にしている人は大変だろう。報道などではこれらの業種の人が行政への怨嗟の声をあげているのをよく見聞きする。一方、仏教寺院でも、この不景気の煽りを受けて収入がおよそ半減しているそうだ。いわゆる密を避けるために参拝客が減り、葬儀も小規模になりがちであり、なんといっても檀家の景気が悪ければ普通にお布施は減るものだ。しかも、お寺は飲食業などと違い持続化給付金の対象外だ。お寺に給付金を払うと政教分離の理念に反するというのが理由らしい。他業種の労働者と違い仏僧の多くはこうした苦境に対して、政治や社会を責めたりしない。貪りや怒りを避けるのは仏教の基本であるからだろうが、内心は思うところもあるのだろうと推察する。
ただでさえ経済的に青息吐息なお寺が多い日本の仏教界で、収入が半減すればもう存続の危機だ。しかも、一部の疫学者の予測ではコロナ禍は数年は続くと見られている。このままでは廃寺の増加は避けられまい。経済的に余力のある人はちょっと色をつけてご自身の所属するお寺にお布施をしてあげて欲しい。観光名所となっているような副業を手広くしている大寺院でも、文化財の維持には莫大な費用がかかるので、推しのお寺があれば授与品や祈願のネット申し込みなどを利用するのも良いと思う。
どんなにネットが発展しても地域の寺院は日本の仏教文化の担い手であり、なんとか守っていきたいものだ。
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