終戦の日とお盆

 終戦の日と新暦のお盆が同じ8月15日なのは偶然ではありますが、遠い異邦で戦死した戦没者の御霊に思いを致す時に、家族のもとに御霊が帰ってくるこの日は感慨深いものがあります。

 戦後も76年となり当時を覚えている人もどんどん少なくなってきています。確かな記憶として当時を思い出せるのは今現在90歳くらいから高齢者でしょうが、その歳で十全な認知機能を保っている人は更に少なくなっています。あと10年もすれば、直接の戦争体験を聞ける事もなくなるでしょう。戦争は実感の無い、遠い昔の物語になりつつあります。

 そして、物語には色々な解釈があるもので、違う物語を信じる右翼と左翼は今日も靖国神社前にて慰霊そっちのけで戦っていることでしょう。戦没者に静かな祈りを捧げる事が出来る日は一体いつ来るのでしょうか?

 軍民問わず全ての戦争犠牲者がお盆で帰ってきているならば、今の日本を見てなんと嘆かれることかと思うと、我が身の力不足を嘆くばかりです。

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