ウルムチ事件と日本
2009年7月5日は中国当局らによるウイグル人虐殺事件であるウルムチ事件がおきた日です。正確な犠牲者数は不明ですが数千名のウイグル人が命を落としたとの説もあります。この事件の前年の2008年には北京オリンピックに向けて中国当局によるチベット人虐殺事件が起きていた事もあり世界が中国に注目している中の事件でした。これに対して世界中の人権活動家のみならず多くの一般人も中国政府の暴虐に対して抗議の声を上げました。日本でも多くの市民団体が抗議活動をしましたが、ウイグルの状況はその後も悪化の一途をたどっています。
有名な事件なので仔細の説明は省きますが、この事件以後あきらかに中国によるウイグル人の民族浄化政策は加速しており歴史のターニングポイントなる事件でした。
ウルムチ事件に対して2009年の時点では日本でも多くの人権意識の高い人達が抗議活動を行いましたが、当の在日ウイグル人の抗議参加者はごく少数でした。その他の多くは故郷に残して来た家族に累が及ぶのを恐れて沈黙を保っていました。活動するウイグル人が少数であったこともあり、当時はそれを利用しようと怪しげなカルト教団や右翼や一部左翼がそれぞれの思惑で介入し大変でしたし、ウイグル人の中でも変な人はいましたし、しばしば内輪もめもありました。しかし、その後12年で中国の占領下のウイグル文化はほぼ破壊し尽くされ、家族の安否も分からぬ人が増えました。もはや失うものが無くなった在日ウイグル人たちは行動しはじめており、その結果として活動は以前よりも健全化しているように思えます。
中国の占領下で、ウイグル人は母国語の教育を禁止され中国語を使わされて、大半の男は強制収容所に送られ、女性は漢人との結婚を進められ、伝統文化の数々は禁止され中華風の文化を強要されて、ウイグル人の子供は中国人として教育されています。21世紀の今、ナチスドイツですらなし得なかった民族浄化が完成しようとしています。
こうした非道を避難する国会決議が先の国会で出されるはずでしたが、与党公明党ただ一党の反対により潰えました。自民党も本気でやる気がなかったようですが、明確に決議案に反対したのは公明党のみでした。選挙民はこのことを忘れてはいけないと思います。
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