社会制度と不正行為
生活保護や障害者年金の話をすると決まって不正受給が起こるからと制度そのものを否定したがる人が現れるが、これらの社会保障制度は必要不可欠なものだ。
人は誰しも大怪我や大病を患う事もあれば、やむを得ない理由で職を失う事も起き得る。そんな時に公的補償があると信じているから後顧の憂い無く日々働くことが出来るのだ。
こうした社会保障制度を不正利用する人は確かに存在し、そうされない為の対策も必要だが、不正利用する人がいるから制度自体を無くせと言ったり制度の適応を厳格にして門戸を狭めるべきだと言ったりする人は、その弊害も考えるべきだ。
そもそも、遺憾ではあるがこの世に不正利用が全く無い社会制度というものは恐らく存在しないだろう。不正を防ぐ手立てを講じた上で予測される不正利用の損害は織り込んで制度設計すべき話で、制度そのものを使いづらくしたり廃止するのは、その制度や法の理念を脅かすものだと言える。富の再分配を直接実行しているこれらの制度は倫理的に見ても維持されるべきだ。
また実利的な話では貯蓄する余裕に乏しい層への経済支援はそのまま市場をしげきし景気にも良い。逆に締め付ければ不景気が加速する。不景気で支援が必要な人が増えている時こそ寧ろばらまくべきだ。
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