たまには明るい展望を

 今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミックのみならず、デマで人を騙して金を稼ごうとする輩は、世間が不安に満ちている時によく現れる。人間は往々にして自分に都合の良い話を信じる傾向が強い。それゆえに多くの人に不都合な環境では、貴重な都合の良い話を供給する人に騙される被害者が増える。被害者は救うべき対象であると同時にデマに騙され社会に害をなす脅威でもある。実に困ったものだ。やはり、デマを煽り商売のネタにしている人達をどうにかするしかないが、歴史を振り返れば彼らはずっと存在し続けてきた。今後も絶滅することは無いだろう。

 だから、デマをふりまく人達の殲滅に注力するよりは、冷静に物事を判断できる人を増やした方が効率的だ。正しい情報や考え方を繰り返し人々に伝え、公衆衛生や社会の治安に寄与する地道な活動を続けることで、デマに騙される人も減るだろう。

 実際に妄想を垂れ流し暴力行為に及ぶ人もいるが、度が過ぎた人間は警察に逮捕されるし、デマに操られている人は声が大きいから数も多く見えるだけで大した数ではない。社会の大多数は実は理知的なのだと言える。オリンピックも無観客の方針となったのは、政治家が次の選挙を恐れて国民の多数派の意見に屈した証でもある。飲食観光業については経済的な補償が不十分で改善の余地が大きいが、一部で言われている様にみんなが感染のリスクを軽視している訳ではなく、生活がかかっているのでやむにやまれず可能な限りの感染対策を実施して経営している方が多い。そもそも、コロナ自体を嘘だと信じているのなら店を開けるに際して感染対策などするまい。

 まだまだ困難な状態が続くだろうけど日本はデマなんかに負けはしない。

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