天安門事件
今日は六四天安門事件から32年目の日です。ものすごく有名な歴史的事件なのでここではその詳細を述べません。今日の慰霊の日に考えたいのは、事件後に日本政府がとった対応への疑問と、32年たった現在でもまた日本政府は同じ誤ちを繰り返そうとしている事に関してです。
天安門事件直後、少なくとも当時の西側諸国は中国へ非難の声をあげていましたが、日本政府は中国を孤立化させてはいけないとの理屈で中国政府を支援していきました。なぜ民衆を虐殺した政権の孤立を防ぐ必要があったのか倫理的には謎ですが、支援するならば民主化勢力の方にすべきだったのは明白でしょう。
さて、中国の孤立化を防いで民主や人権思想に感化せしめるという作戦はもちろん失敗し、今でも中国共産党は民主化勢力をはじめ占領地域の諸民族への弾圧や虐殺を続けています。これに対して欧米は様々な制裁処置を取っています。しかし、日本は有効な処置をなにもしないばかりか、今国会で行われるはずだった中国への単なる非難決議すら実施されるか怪しくなってきています。強制労働の疑いで世界的に使用の制限がされている新疆綿についても、ユニクロで有名なファーストリテイリングが許容する発言をしたのも記憶に新しいところです。欧米との繋がりや自由や民主主義よりも中国共産党との関係を重視する勢力が政界財界に多くいるのは実に嘆かわしい限りです。
日本が再び中国政府を支援して民衆の弾圧や虐殺を後押しすれば、日本は世界から完全に中国側の勢力として認知されることになります。それは直接的にアメリカとの戦争を意味します。うまく行っても冷戦で、悪ければ本物の戦争です。誠に遺憾ながら勝ち目はありません。倫理的にも実利的にも中国共産党を支援してその人権蹂躙を手助けしてはいけないのです。
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