狛犬
狛犬と言えば神社の守護獣的な存在として馴染み深いですが、元々は古代メソポタミアなどで神前を守る一対のライオン像が起源と言われ、それがインドで仏前を守る獅子像となり、漢土に伝わり日本にも当初は獅子として伝わりました。日本にはライオンがいなかった為に犬と勘違いし朝鮮(高麗)経由で伝わったので高麗の犬がなまって狛犬となったとの説もありますが、古いお寺には獅子と有角の狛犬が一対となっているところも多く、少なくとも当初は獅子が何か分からなくても犬とは別物と見られていたと考えるべきでしょう。また、獅子と狛犬のペアでも狛犬のペアでもその口は、開けられた阿と閉じられた吽の形で対になっている事が多いです。阿吽はインドの聖典などに使用されるサンスクリットの語順表の始めと終わりの音で、この二つを合わせることで物事の始まりと終わりを示しており、やはり狛犬は仏教の影響からできたものと言えます。なお、日本語の五十音図もサンスクリット語の語順表から作られました。阿吽は「あ」と「ん」です。
神社の狛犬も多くは刺青の図案で有名な唐獅子牡丹の唐獅子様の姿をしており、やはり犬というよりは獅子なのでしょう。そう考えると、古代メソポタミアで神を守っていた一対の獅子像は、日本で犬扱いされたけど姿形は獅子であり今でも日本で神仏を守っている職務に忠実な神獣と言えます。お勤めご苦労様です。
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