稲荷神拝歌より
稲荷神拝歌の一つに
生き生きて御霊の幸(みたまのさち)を身に受けて
この世の幸に働きまつる
という歌があります。これは神道の歌ですが、身に受けた幸を我が物だけとはせずに、この世に幸をもたらすために働くという考えは、仏教の菩薩行に通じるものがあります。
仏教と神道の類似点と言えば、一部の神道でとなえられている様な人は神の命を引き継いで生きているから心身についた穢れを払い清めるのが重要だとする考えも、仏教の如来蔵思想に類似します。逆に、日本独自の仏教行事であるお彼岸は祖霊を祀る日本独自の宗教儀礼が仏教に取り込まれたものでもあります。神仏習合の時代も千年以上は続いていたのですから、今でもそこかしこに類似点は見出されます。
神仏分離後の稲荷神も未だに絶えること無く多くのお寺で護法の神として祀られています。境内に稲荷神社があったり、お寺の施設内に稲荷神をまつる神棚がある古刹も散見されます。命を支える食物の神というのも日本人へのウケが良い理由の一つでしょう。
世知辛い世ですが、小生も幸い生きています。稲荷神拝歌ではありませんが、命ある御縁に感謝し人々の命が守られ社会が安寧であるように祈り働きたいと思います。
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