つまらない映画

 最近はつまらない映画を観る事が減りました。映画界のレベルが上ったからではありません。映画自体を見る機会が減ったし、見ても評判が良い映画を選ぶようになったからです。

 若い頃は誰も知らないような映画を友人らと観ては、うわーツマラネーとか言い合っていたものです。思えばこうして観た映画で隠れた名作を発掘出来たことは無く、今となってはタイトルも思い出せません。結果として時間の無駄だったわけですが、無限に時間があると思っている若い頃は映画そのものよりも宝探しのような行為の方がむしろ楽しかった事を覚えています。

 老いてきて自分に残されている時間がどんどん短くなっていくと、時間の価値もどんどんと上がっていき、分の悪い宝探しはしなくなります。世の老人が堅実な事を愛するのは概ねそういう理由なのだろうと思います。

 とはいえ、つまらない映画を観るよりもマシな事に貴重な時間を消費出来ているのかは疑問です。たまにはつまらない映画をみて、ああつまらなかったと笑える心の余裕は欲しいです。

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