仏炎苞

 サトイモ科の植物の大きな苞の事を仏炎苞と言います。アンスリウムや水芭蕉の花で見られるアレです。色や形から炎の様に見えるものもありますが、宝珠形や舟形の光背のように見えるものなど様々です。またサトイモ科以外でも極楽鳥花の胴の部分も仏炎苞と言われる場合があります。

 さて炎の光背というと不動明王が真っ先に思い浮かぶように明王の光背として有名ですが、明王以外でも馬頭観音や蔵王権現や迦楼羅王の光背などに炎があります。しかし、水芭蕉の花の仏炎苞は舟形光背の様に見え、どちらかと言うと如来の光背を想起させます。

 通常は如来像の光背が火焔様であることは無いですが、阿弥陀如来の別名の一つには光炎王仏であり、その光は煩悩を焼く炎でもあるのです。なので仏炎苞という名称でもまあいいのかなと思います。

 今年はコロナ禍での移動制限で水芭蕉を見に行くのも難しいでしょうが、仏の炎は皆に届くよう祈ります。

コメント

このブログの人気の投稿

妙好人、浅原才市の詩

現代中国の仏教

懐中名号