ビルマ人以外

 ミャンマーの軍事クーデターでスーチー女史や軍政に反対するビルマ人への弾圧が日々報道されている。なるほど、彼らへの支援は必要だ。しかし、かつての軍政時代はもちろんのことスーチー政権下においても弾圧され続けてきたミャンマー国内の諸民族についての報道は少ない。軍部が少数民族への懐柔に動いているとの報道もあるが、現実にはタイ国境への避難民は増加傾向にあるとも聞く、長年に渡りビルマ人から弾圧を受けビルマ人の軍から虐殺され続けてきた諸民族がおとなしく矛をおさめることは無いだろう。

 ミャンマーにおける民族浄化と言えばロヒンギャが有名だが、シャン人、カレン人、カチン人などミャンマー東部の諸民族もビルマ人による民族浄化の対象であり、タイ王国の西側国境付近には彼らの避難民キャンプが連なっている。これらの民族の軍事組織は日本の公安調査庁からは国際テロ組織に指定されているが、ミャンマー軍の非道に比べればどうと言うことは無いレベルなのは明白だ。

 ミャンマー軍は、彼らが少数民族と呼ぶ人々の村を焼き、強制労働をさせ、文化・言語教育を制限し、簡単に殺戮する。家族を殺され難民キャンプにおちついた男の子たちの多くは国際テロ組織の兵士になりたいと希望している。ビルマ人に復讐するためだ。

 怨みは怨みによって果たされず、とは法句経に説かれる教えであるが、大多数が仏教徒であろうミャンマー国軍はかかる非道をなしても怨まれはしないなどと思っているかのような暴挙を繰り返している。愚かなものは自分の行った悪事に気がつかない、とも法句経は説いており国軍指導部は愚かなのだろう。

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