チベット蜂起記念日
3月10日はチベット蜂起記念日です。犠牲となった多くの人達のご冥福をお祈りします。
観音菩薩の化身とされる転生僧のダライ・ラマを法王にいただく仏教国のチベットは1949年より中国の侵略を受けました。1951年には名ばかりの自治を認められて講和し法王はチベットに留まっていたものの、主に東チベットで中国軍は寺院の破壊を行い、抵抗する地域住民らと散発的な衝突を繰り返していました。1959年3月10日、法王ダライ・ラマ14世は中国軍基地に観劇に来るように招待を受けていました。中国軍は3月9日になって、この観劇の際に護衛を付けずお忍びにするように法王に要請しました。この情報が市民に漏れ、中国軍が法王を監禁ないしは暗殺するかも知れないとの心配から、30万人もの市民が法王を守るために宮殿を取り囲みました。法王を守る市民と中国軍との衝突は避けられない状態となり、法王は自分がチベットにとどまると犠牲者が増えると判断しインドへの亡命を決断します。法王は3月17日に宮殿を離れますが、残念なことに中国軍は市民らの虐殺を始めおよそ8万7千人が死亡しました。また、中国の侵略前のチベットの人口は600万人だとされ、中国の侵略後の30年で人口の20%にもなる120万人もの住民が虐殺されたとも伝えられます。その後、現在に至るまで、中国による弾圧や文化の破壊による民族浄化政策は進行し続けています。
ただ、これほどの目にあっても、ダライラマ法王とチベット国民の多くは、慈悲の心をもって中国に接しており彼らの信仰心の強さを物語っています。まさに菩薩と言うにふさわしい人々です。
南無観世音菩薩。
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