菩提心と若者
菩提心は大乗仏教で菩薩として悟りを求める心のことで、悟りという自利と一切の生き物を救おうとする利他の心が含意されます。仏教の開祖であるお釈迦様はこの世の一切を苦とみなしてその苦を滅する為に修行をはじめました。この基本は自分も含めた一切の生き物の苦を除こうとする菩薩とその意志である菩提心にも引き継がれています。
さて、菩薩が取り除くべき苦なのですが、逆に苦を感じるから人は菩薩になるとも言えます。何が起きてもそれを苦と感じない状態では人は苦を取り除こうとはしません。
幼児がお菓子がないと泣きわめく様に、少年がかけっこに負けて大泣きするように、青年が人間関係に悩むように、中年が仕事に疲弊する様に、老人が病と老いを諦めるように、人間は年齢とともにその苦しみも変化していきます。しかし、年齢に関わらずに、このままでは苦が尽きることはないと気づいた時に、人は菩薩になりうるのです。
報道によると苦しい世情の影響もあってか、子供の自死が増えていると伝えられています。関わりのある世界が狭い若者の方が少しの事で絶望を感じるものです。老人にとっては些細な事でも若者は絶望し死んでしまいます。老人は若者の苦に敏感になり悲劇が起きないように留意するべきです。特に、この世の苦をよく知っている菩薩なら相手の苦に思いやりの心が持てるはずです。
とりあえず、怪しい兆候を見かけたらまず物理的に救いましょう。生き残りさえすれば心は後でも救えます。絶望に死んでしまう人がなるべく減るように祈ります。
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