フードファディズム
フードファディズムとは、特定の食材にものすごい健康効果があると信じたり、逆にものすごく有害だと信じたりすることで、往々にして極端な行動として現れ家庭や社会に問題を引き起こしている。
テレビの健康番組などで何某を食べると痩せるとかと言ってたからと、それを大量に偏食して肥満や生活習慣病を悪化させるような例は枚挙に暇がない。
また、逆に何某は体に有害だとして極端な制限を行う人達もいる。これに関しても、エビデンスがあるものは皆無であり、様々な健康被害の報告もみられ問題だ。
特に世間でよく食べられている何某を食べると癌になるとか言う話は殆ど信じなくて良い。昔と比較して癌が増えているのは、何某の消費量が上がったからだとする意見やグラフもよくみるが、癌の増加はおおむね平均寿命の延長によるものであり、この論法では叩かれている食材が何であれ、それの消費が増えるのと時期を同じくして寿命は大きく伸びているはずだ。もし、その食材が有害だと言うのなら、その食材の摂取以外の条件がほとんど同じの集団で長期的に有害な事象が起きていないか観察して統計的な有意差が出るか調べなければならない。証拠になっていない証拠しか提示出来ないエセ科学を根拠とする健康法は検証せずに否定していい。提唱している人が詐欺師的なのは明白だからだ。もし実は正しいのだとしたら遠からぬうちにちゃんとした証拠が出るから信じるのはそのあとでいい。
そもそも論として、少しずつ変化はするものの何十年何百年単位で食されて大きな健康被害も起こさなかった各地の伝統的な食事が、昨日や今日誰かが考えた栄養法と比べて安全性の上で劣る可能性は皆無だ。食事の過剰な摂取や、極端に偏った食事が体に良くないのは古代からの歴史を見ても明らかであり、各地の伝統食は歴史的知識の集成でもある。だがもちろん例外もあり、昔の日本食は現代人には塩分過多ではあろう。しかし、昔の人はそんなに大量には食べずに肉体労働にともなう発汗での塩分の喪失は現代人よりも多く、また、保存技術が未発達な時代では塩漬けの保存は食中毒の防止にも寄与していたと思われ、塩濃い食事もその時代には適合していたはずだ。時代に合わないものに関しては時代毎に調整すればよいのだ。何も極端な事をする必要はない。
とにかく極端な食事を勧めてくる人間は警戒するようにした方がいいだろう。何とかを食べれば癌や難病が治るとか言うのも信じてはいけない。そんなものが本当にあるなら製薬会社が放置している訳もない。世情が不安定だとこうしたデマが流れやすい。ご用心ご用心。
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