宴会の危険性
つい先日まで、一部の政治家は感染対策をした上で行ったとして大人数の宴会を続けていましたし、これらの宴会に対する批判に麻生太郎議員がじゃあ家族では食事をしないのかと反論していました。また、外食産業よりも家庭内感染の方が多いから宴会は安全だと主張する人もいます。これらは何が間違っているのでしょうか?順をおって説明しましょう。
まずはじめに思い出してほしいのは、新型コロナウイルス感染症は、人から人や動物にうつっていくと言うことです。だから、実現不能ですが、もし地球上の全生物の移動と接触を1ヶ月ほど完全に断てればそれだけでこの問題は解決します。まずこの前提を忘れないようにしてください。
またもし、すべての人が自分の家族としか接触しなければ、感染症が起きてもうつるのはその人の家族だけです。接触する時間の長い家族にはそもそも感染しやすいですが、感染はその中で完結します。しかし、現実的に家族としか接触しないと言うのは不可能です。現にいま時点でも感染は拡大し続けています。現在、家族の者に感染させたはじめの一人は必ず外から感染してきたのです。
では外での感染はどこで発生するのでしょうか?危険性が高いのは皆さん聞き飽きた三密の空間で、マスクをしない状態で口を開いたり喋ったり歌ったりする機会のある場所です。要は宴会のようなシチュエーションです。満員御礼の小さな箱での演劇や口角泡を飛ばす会議などもそうです。いくら密集していても換気が良く、ほぼ全員がマスクをして会話や飲食をしない満員列車ではそうそう感染は広がりません。外食でも換気のいい店で距離を離して一人ずつ着席し無言で食物を摂取してもらえれば危険性は下がるかと思いますが、宴会はアウトです。こうした宴会的な状況に集まった多くの人々に感染が広がり、その感染を自宅に持ち帰った一人から複数の家族の者が感染するので、家庭内の感染の方が多いのはある意味自然なのです。
今回、宴会のような状況になりやすい夜間の飲酒を伴う飲食に関して規制が出ようとしています。それ自体は感染を抑えるという目的からは一定の理解は可能ですが、公的に金銭的な補償をしないと規制を守る人も少ないでしょう。飲食業の人も生活がかかっているのです。逆に言うとどれだけまとまったお金を出すかで行政の本気度も測れようというものです。また、酒類の提供をしない、宴会にはならない、一人で黙々と食する形態の店まで規制対象になるのかも気がかりです。
ともあれ、家庭内の感染の方が多いから宴会は安全だとする一部の政治家のような意見は完全に間違っています。
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