自分の体は大切に
利他行に励む仏教者は時に我が身をかえりみずに不幸な結果を招く事があります。お釈迦様の前世譚であるジャータカにも捨身飼虎として有名な自分の身体を餌として飢えた母虎に与える事で虎の母子を救う話もあり、自己犠牲の尊さが強調されがちな仏道ですが、極端な修行はお釈迦様の最初の説法である初転法輪でも否定されています。ジャータカは仏教的な御伽話の類であり額面通りの理解では無く行間を読む事が大切です。
目標に向う中で苦境に耐える力は貴重ですが、苦しむ事自体が尊い訳ではありません。他人を助けようとする人も、他の利他行に励む人から見たら救われるべき対象です。一切の命が救われるべき貴重な命であるのならば、自分の身も当然貴重なのです。
だからまずは自分の身を大切にしましょう。世の中ものすごい体力と精神力をもって修行に邁進する人も居ますが力が及ばないのにマネしてはいけません。別に仏道の修行は競争では無いのです。自分に出来る事を少しづつ積み重ねていくものです。
厳しい時代にあって多くの思いやりの心を持つ人が過労で倒れていくのは辛い事です。皆様もお体を大切にお過ごし下さい。
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