目標と結果

 大乗仏教の菩薩は一切の衆生を救おうとする大目標があります。さて、現在この世で菩薩行に励む仏教者の誰か一人でも、この目標を存命中に達成できるかと言うと無理です。確実に無理です。不可能です。

 現代社会を生きる私達は結果を伴わない努力を無駄と考えがちですが、道半ばで倒れても偉大な目標にわずかでも近づく事が大切なのです。いかなる苦難にも退かず前進を続けるしか無いのです。

 どうせ叶わぬ目標だと放り出して享楽にふけっていては人生はあっという間に終わります。目標を見失い退いてしまった菩薩を敗壊の菩薩と言いますが、敗壊の菩薩となっても人はまた菩薩道に戻る事が出来ます。巨大すぎる壁に挑む時、古い価値観よと見下げられる努力、忍耐、根性はいずれも役に立ちます。

 たとえ孤独の中に苦闘する菩薩がいても、その心は仏とその教えとそれを奉じる仲間と共にあります。乱れきった世の中に心を痛めている人たちに呼びかけます。この世にはそんな人を助けようとする菩薩がたくさんいます。目の前にいなくてもいます。あなたが人のために何かをしようと思い行動を起こした時、あなたも菩薩の仲間です。その親切はきっと他の困っている人に届きます。この世に菩薩が増えれば必ず世界は良くなっていきます。こうした思いやりの心が仏教でもっとも大切なのだと信じています。皆の力で少しずつ世界を平和で安穏なものに変えていきましょう。ご協力お願いします。

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