ウイグルの見えないフリをされる人権蹂躙

 世界的に品質の高い綿の産地として知られる新疆ウイグル自治区こと東トルキスタンだが、既に60年以上も中国の軍事占領下にあり、進駐している新疆生産建設兵団らによりウイグル人労働者や農民は不当な搾取を受けている。この非道に圧力を加えるべく、アメリカ政府は新疆生産建設兵団が関わる綿製品の輸入を禁じる命令を12月2日に出した。さらにアメリカでは中国によるウイグル人の強制労働を禁じる法律を審議中だが、ウイグル人の奴隷労働から利益を得ているコカ・コーラ、ナイキ、アップルなどの大企業が、この法案の廃止に向けたロビー活動を行っている事が明らかとなり報道されている。

 もちろん、これらの大企業が直接的に奴隷労働をしいたりウイグル人を虐殺している訳ではない。やっているのは中国政府だ。そして、中国はもちろんそんな事はしてないと言う。だが、現地からの情報、衛星写真、亡命者の証言などを総合的に見てウイグル人が民族浄化の危機に瀕しているのは紛れもない事実だ。

 例えば、近所の商店から強盗殺人をして仕入れてきた事が明らかな物品を安値で売っている人がいたとする。買い手としては魅力的な価格だが、犯罪には関与したくない。そこで、犯人にこれは犯罪で仕入れたものかと尋ねて「いいえ」との返事を貰えば、善意の第三者のフリをして盗品売買に加担する。果たしてこんな茶番が許されるのか?

 新疆綿などの人権蹂躙と搾取の結果得られた製品は、欧米や日本の多くの大企業で使われている。日頃これらの企業は人権とか環境とか平和とかを企業理念として宣伝している。企業の皆様には言行一致を心がけてほしいと切に願う。

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