ロードレイジ

 ロードレイジ(Road rage)は、あおり運転の問題が話題になったこともあり聞く機会が増えた言葉ですが、要は運転中に激高する事です。

 自動車の運転中は他の自動車が周囲にいても目の前に人間としての相手がいるわけではなく、自分も自動車という箱の中にいて名前や顔を直接晒してる訳ではありません。一見匿名のように感じるインターネットでは粗暴で攻撃的な書き込みが多いのと同じで、自動車運転中も日頃はおとなしそうな人が急に怒りっぽくなったりするのもしばしば見かけます。

 片側2車線の高速道路を運転している際に、追い越し車線の遅い先頭車両をあおる車はよく見かけますが、ひどい例になると、そのあおっている車をさらに後続車があおり、5台ほど自動車が連なって走行している姿もたまに見かけます。横に抜けられず先頭が詰まっている段階で3台目があおっても単に危険が増すだけなのは自明です。そもそも、前の車が遅いことは命がけで怒るほどのことではありません。怒りで正常な判断が出来なくなるとそんな簡単なことも分からなくなるのです。

 無謀な運転をする人がいて自分にも危険が及びそうになった場合はついついイライラしがちですけど、その場で説得出来るわけも無いのでそんな危険な自動車からは距離をとって運転するのが良いでしょう。

 自動車の運転の際には、他の自動車にも人が乗っていることを忘れていはいけません。先日の華厳経の話でもありましたが怒りの感情はろくな結果を招きません。運転中に怒りそうになった時にはこれも煩悩に打ち勝つ修行だと思って落ち着きましょう。逆に日常生活で怒りそうになった時に、自動車運転中に怒る危険性を思い出してみるのも怒りを抑える役にたつかも知れません。これは日常で不条理な事をする人に屈服せよと言っているのではありません。ただ、怒らずに粛々と打開策を講じたほうが効果的でもあるのです。

 それではまた。合掌。

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