社会人

 社会人という言葉は成人とも労働者とも違う社会に参画する働く大人的な意味であり、日本語特有のものらしいです。市民や人民という言葉では子供もその範疇に含まれますが社会人には含まれません。ご隠居さんも含むかどうかは微妙なところで、ここでは仮に社会人とは労働世代の成人を指すと定義してみます。

 ロック歌手などが言うつまらない大人と社会人とはほぼ同義かと思われますが、労働している成人ならロック歌手も社会人に含まれるはずです。ですが、社会人に否定的な彼らは自分のことを社会人だとは思っていません。彼らは少なくとも自覚的には社会の外にいて、下らない社会に異議を申し立てる戦士だからです。もちろん本当のところは、彼らが曲を売って立ててる生計には種々の企業や人々が関与しており社会を憎みつつも社会の中に生きているのです。

 彼らは自分たちの曲に感動してくれる社会人のファンや、良いものを届けようと努力する録音技師や宣伝に駆けずり回る営業の社会人を下らないと見下しているのでしょうか?そうでは無いはずです。下らない大人と聞いて人々がイメージするのは、下らない会社に勤める下らないサラリーマンですが、その下らない社会人は一体どんな業種のどんな役職の人でしょうか?イメージ出来ている人は少ないでしょう。それは単なるアイコンであり、そんな下らない大人のほとんどは妄想の産物に過ぎません。

 どんな仕事でも社会に何かしら貢献しており、収める税金は社会福祉や治安の維持に役立っているのです。社会人の一人一人の努力が社会全体を支え守っているのです。子供や老人などの弱者は社会人の労働を原資とする税金によって守られているのです。そう考えれば労働は立派な布施行です。だからこそ、社会人を痛めつけるブラック企業は許してはいけないし、社会人をつまらない大人などとかいう批判は看過出来ません。

 皆さん自信をもって労働に勤しみましょう。合掌。

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