西行の歌、山家集より#2
今日は疲れたので気分を盛り上げるべく、西行の山家集よりこの時期にちょうどいい気分が上がる「草花の野路の紅葉」と題された歌をご紹介します。
紅葉散る野原を分けて行く人は花ならぬまた錦きるべし
秋の花が咲き乱れる野を行く人に散る紅葉が舞い、花の錦の上に紅葉の錦を重ね着し進む姿が目に浮かぶようで清々しい歌です。
僧侶たるもの華美な服飾に見立てて自然の美しさを褒め称えるとは何事ぞ、日本の仏教は堕落しているなどと言う批判は小さいことです。そのような批判は、維摩経でアレもコレもダメと規則を気にしてばかりいる声聞の聖者に花がまとわりついて離れなくなったのと同じです。執着から離れてパーッと自然を愛でるのもまた良し。だって大乗だもの。
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