家貧未是貧 道貧愁殺人

 久々の禅語の紹介です。

 家貧未是貧 (家貧にしていまだこれ貧ならず)
 道貧愁殺人 (道貧にして人を愁殺す)

 家計が貧しいだけではまだその家の人が貧しいとは言えない。人として生きる道が貧しいことがことが人を嘆き悲しませる。という意味になります。

 とはいえ、金銭的貧困は人の心を蝕みます。不景気の時こそ心をしっかり保って犯罪などの悪い道に入らないように気をつけなければなりません。どうしようもない時は躊躇せず各地の福祉事務所に相談するべきです。困窮による犯罪では意外と公的な補助を利用する前に犯罪に走る人が多いそうですが、思い詰めるとそういう発想も浮かばなくなるのかも知れません。また、生活保護受給者を悪くいう心無い人もいますが、困っている人への社会保障を否定するのは心が貧しいと言わざるを得ず嘆かわしい事です。もちろん不正受給は犯罪ですので明らかな不正受給者がいれば通報すべきです。生活保護費の大半を飲酒やギャンブルにつぎ込む人もおり批判を受けていますが、それは依存症でありむしろ治療の対象です。彼らを生活保護から外しても問題の解決にはなりません。

 お金が無いと困窮から人道も踏み外しやすくはなりますが、お金があっても案外簡単に人道は踏み外すものです。良いときも悪いときも用心が必要です。

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